現在Youtubeを横行している切り抜き動画。
切り抜き動画は楽しいし、長い動画の面白い部分だけを見ることができるから見ている人は多いと思います。
でも明らかに著作権違反じゃないの?と思われる動画が度々見受けられます。
恐らく気づいてない人も多いと思うので今回ポリ研が切り抜き動画による著作権侵害の例と、その罪の重さについても説明していきたいと思います。
※更新日2022.04.13
目次
著作権侵害の例
一括りに「著作権侵害」と言われても例えば何がそれに相当するのか分からない人も多いと思います。
大きく分けると著作権侵害と思われる行為が2つありますので、以下に紹介していきたいとも思います。
一瞬だけ流れるCD源音楽
切り抜き動画を面白くするためなのか一瞬だけ流れるCD音源音楽(iTunesストア等、ダウンロードした曲も含む)が横行しています。
はっきり言ってこれはダメです。明らかな著作権侵害に当たります。
ただし大丈夫な場合もあります。
それは「Jasrac管理楽曲であり、尚且つ自分で歌うか、演奏している場合のみ」となります。
詳しくはこちらを参考にしてください。
利用可能な曲を検索して自分で演奏して、それを自分の動画に埋め込むのは手間暇かかると思いますが、Youtubeがアカ版になったり、最悪訴えられるよりマシだとポリ研は考えます。
動画の片隅に映り込む芸能人の写真
多くの切り抜き動画を見ていると、切り抜き動画の投稿主が「自分で撮った写真ではない」ことが容易に想像できます。
恐らくですが、ネットの拾い画だったり、雑誌の一部の写真を使っていると思われます。
上記の例は著作者から許諾を得ていない場合、全て公衆送信権(著作権法第23条)の侵害に当たります。
公衆送信権とは分かりやすく言うと他人の著作物を勝手にネットにアップロードするのを防ぐために作られた著作者を守る権利となります。
パブリシティ権を盾に芸能人の写真利用の正当性を訴える人もいるが、それは大きな間違い
パブリシティ権の認識として、「芸能人の写真を使うことはその人にも利益があるから大丈夫だ」という認識がある人も多いのではないでしょうか。
しかし今回のようにYoutubeの切り抜き動画で芸能人の写真を使うのは「顧客吸引力を目的としている」と判断されやすく著作権法の公衆送信権侵害(23条)や複製権侵害(21条)に当たる可能性のほうが高いのです。
そもそもパブリシティ権とは日本において条文で規定されているものではありません。
ですので「条文に書かれてないから、芸能人の写真は使っていいんだ」と誤解される方もいるのが現実です。
しかしパブリシティ権を判例で認めた件は実際にありますので、これを軽視するわけにはいかないのです。
パブリシティ権とは写真を無断に使われたことによって、芸能人としての価値(財産的利益)が損なわれないよう保護するために作られたもので、アメリカのいくつかの州やドイツなどでは成文法で保護を定めています。参考・・・wikipedia
これを踏まえて、パブリシティ権について凄く分かりやすく書いている坂口弁護士のサイトがあります。こちらには
パブリシティ権が発生するのは、対象の顧客吸引力に着目して無断で使用し、経済的利益を害した場合と考えられます。
©ベリーベスト法律事務所 サイトはこちら
と記載されています。
Youtube上で自分の動画への集客力を高めるために芸能人の写真を無断で使っていたら「顧客吸引力を利用して、収益を得る(芸能人の収益を損ねる)と判断」されやすくなります。
そうなると裁判で「パブリシティ権の侵害だよね」と判断される可能性があるということなのです。
著作権法侵害による罰則は重い
先ほども少し述べましたがYoutube上で芸能人の写真を使うことは著作権法の公衆送信権侵害(23条)や複製権侵害(21条)に当たる可能性があります。
その場合、著作権法第119条第1項では、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対し、「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と記載されています。
多くの人がやっているから自分は大丈夫。これが平気で著作権侵害をする人の思考です。
こんなになるのならYoutubeさんにアカウントを消してもらった方が幸せかもしれません。
アカウントを消された後に訴えられる可能性も考えるといち早く削除する等の対策を打つのがベストではないでしょうか。