アニメの違法アップロードがYoutubeで横行しています。
人気アニメの「スパイファミリー」とか「押しの子」とか人気作品を中心に散見されます。
タイトルにもあるように今回思ったのが「Youtubeショート動画でのアニメ動画」です。確かに「ショート動画であれば動画自体は短いし、問題ないんじゃない?」と思う人が出てきてもおかしくないと思います。
そこでショート動画でアニメ動画をアップロードすることが著作権法上問題ないのか調べてみることにしました。
目次
【結論】完全な著作権違反。短い動画だからってやってはいけない
これは完全な著作権違反であり、動画をアップロードしてしまった人を擁護することはできません。
著作物を許可なくアップロードしてしまう行為は公衆送信権の侵害に当たる
著作権法第ニ十三条には
著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
引用元・・・e-gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048)
と書かれており、Youtubeのショート動画に著作者の許可なくアニメ動画をアップロードする行為は公衆送信権の侵害に当たり、民事と刑事または双方での責任を負わなくてはいけなくなります。
著作権侵害による刑事責任はかなり重い
著作権侵害による刑事責任は著作権法第119条に記載があり「十年以下の懲役、又は1000万以下の罰金(又は両方)」となっております。
参照・・・政府広報オンライン
民事責任も当然受ける可能性がある
著作権法侵害による著作者&著作隣接権者からの民事裁判による賠償金の金額は民法709条に定められている通りに決定します。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元・・・法令リード(https://hourei.net/law/129AC0000000089)
例えば実際の裁判例で言えばYoutubeの再生回数、動画の何割ほどアニメ動画を使っていたかが賠償金の計算方法となっています。
参照・・・新銀座法律事務所
ショート動画となってくると賠償金は高くなる傾向がある
例えば20分の動画で15秒だけアニメ動画をアップロードしている場合、動画の15/1200(秒)の部分だけが著作権侵害に当たり賠償金の計算方法の参考となります。
しかしショート動画で15秒フルでアニメを流した場合、動画の100%が著作権侵害に当たると判断されかねません。そうなると動画収益で得た全てのお金を賠償金として請求される可能性が出てきます。
ショート動画において引用の言い訳が厳しすぎる
アニメの動画であっても原則「引用」と認められる範囲であれば、著作権法上問題ありません。
しかしYoutubeのショート動画の長さは「15秒」「60秒」しかありません。その中でアニメ動画を流した場合、主従関係で言えばアニメ動画が「主」となるのは明らかであり「引用である」という言い訳がしにくくなります。
アニメの違法アップロードは過去に逮捕者も出ている
例えば「コードギアス」「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」「機動戦士ガンダム」など違法アップロードした疑いで逮捕された人たちがいます。
ゲーム業界では配信者による初の逮捕者が出たところだが、アニメ業界はリーチサイトでの逮捕者もあり、著作権についてより厳しく監視していることが伺えます。
ショート動画でのアニメ動画のアップロードによる訴えられるリスクは非常に高いと思います。違法アップロードは絶対にやめましょう。
ゲーム配信での逮捕者について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。